寛司…あたし放送で呼ばれてるよ?

体育館に行かなきゃいけないんだよ?


レンと、顔を合わせなくちゃいけないんだよ…?



寛司の耳にも届いているはずの放送。だけど寛司は気付かないフリをして、ずっとあたしを抱きしめていた。




「どこにも行くな…俺を置いて行くな、未来…!」



「―――ッ…!」




より一層表情が切なくなる寛司に、最早抵抗する気すら失せてくる。


あたしは寛司の腕にそっと触れて、ゆっくりと瞼を落としていった。




告白大会の事なんか、すっかり忘れていたあたしの元に落ちてきたのは、寛司が仕掛けた爆弾。


叶わないと知っているあたしの恋を明白にさせたのは、寛司。


そしてこの胸のドキドキを与えている犯人も―――寛司。



レンの事が好きだと自覚しておきながら、寛司がくれる刺激にも反応しているあたし。




ねぇ?どうしたらいいの?




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