此処に居るのは、いつもの寛司ではない。
優しさも、ナルシストさも、全てが消えている、真剣過ぎる寛司の姿だ。
「なぁ?どういう事だよ未来」
「だから…何が…っ!?」
距離を縮めていく寛司に反応するように、あたしの身体も後退りしていく。
「俺、見たんだよ」
「え…?」
「翼生やして刀振り回すレンと、その杖持ってなんか唱えてる未来の姿を!」
一瞬、何を言われているのか、分からなかった。
呆然とするあたしを気にする事なく、寛司はどんどんあたしを精神的に追い詰めていく。
「中田を教室に避難させて、お前達の様子心配して外に出てみたら…お前達が空飛びながら針と戦ってた!」
「な…んで…」
「あれってどういう事だ?何でレンの野郎に抱きついてんだ?答えろよ、未来…!!」
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