診断結果を聞き終わって、杏のいる病室へ向かう。


「……陸君」

杏の親父さんから…呼び止められた。

ゆっくりと振り向く。


「…すまない。杏樹が、こんなことになってしまって……」


“申し訳ない”と頭を下げられた。


さすがに……「良いんですよ」とは、言えない。

今は……泣きたいくらいだ。

「…事件の被害者達は全員、1番大切な人が見えなくなっている。高瀬君に甘えても、本当に思ってるのは…陸君なんだから、あまり落ち込まないでくれ」


親父さんには、何も返せず…頭を下げることしか出来なかった。



「杏樹は……何か、呪いのようなものを掛けられているようじゃ」

「え……」


御祖父様の言葉に顔を上げる。



杏が……呪われてる?

誰に……?