「いてーんだよ!ばぁか」
「お前がうるせーからだよ」
あたしと頼が話してるとき、
「あの二人はいつもあんな感じなんですか?」
姫菜ちゃんが他のメンバーに問う。
「まぁ腐れ縁だからねぇ・・・」
牛乳パックを一気飲みして口元が白くなっている旬斗。
「中学からいっつもあーじゃん」
和也も笑いながら二人のことを話す。
「蒼以は早瀬くんの行動にキレることが多いよ。蒼以は早瀬くんのこと大好きだから」
歩のその一言に鏡を見ていた和也、そして旬斗と姫菜も歩を見る。

「いや、そっちの大好きじゃなくて!ほら、さっき蒼以言ってたでしょ?いじめられてるとこ助けたって。蒼以ってちょっと抜けてるけど・・・そういうのしっかりしてるから」

「確かにね。あ、戻ってきた」
満足そうに笑う後ろから明らかにパンチが食らっただろう頼と蒼以が戻ってくる。
「ごちそうさまー」
タイミング良くチャイムも鳴り、それぞれが片付けを始める。
「あー腹いっぱい」
「みんなで食べると美味しいね」
「いつでもおいでよ、歩ちゃん」

「あたし次もサボろっかな」
レジャーシートを畳みながら蒼以が言う。
「じゃああたしもそうする」
「俺たちはどーせサボりだし」
頼たちはいつも通り、どっかから拝借した机と椅子を並べている。
「姫菜ちゃんは授業だよね?」
「あ、はい」
「明日もまた一緒に食べようね!あとでメールするし♪」
「嬉しいです!」
その笑顔に、なんて可愛いのだろう・・・とうつつを抜かすあたしだった。