レンのおフザケを無視して階段を駆け下りようとするけど、レンはあたしの腕を離してはくれなかった。




「何!?みんなが危ないのに、レンのおフザケに付き合ってる暇は―――」



「走っても時間の無駄だ。今の消滅速度だと、俺達が到着する頃には緑は全て消えている」



「じゃ、どうすれば―――!!」




レンの言いたい事が分からずに、ついついムキになってしまう。


そんなあたしに向かって、レンは怪しくニッと笑った。




「忘れたのかよ、ミライ。

―――俺に、翼が生えてる事」




バサッという音がする。

辺りに羽を散らしながら、レンの背中には銀色に輝く翼が生えていた。



いつ見ても綺麗だ。

怖いくらいに、綺麗―――




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