「なっ…夏休みのね、貴重な休みの日、たまたま暇なの。本当にたまたまね!だから…ね」




何緊張してるの、私は。



ってか、何言ってるの?






「心配しなくても会いに行かないから安心してって言ったじゃん」


「そうじゃないの!そうじゃなくて…」




何がしたいのか分からないけど


成宮くんに距離を置かれるのは嫌だったんだよ。




何でか分からないけど


寂しく思ってるんだよ…。





「…もしかして、会いに行ってもいいって言いに来てくれたの?」




無意識の内に頷くと

少し顔を赤くした成宮くんが自分の前髪をクシャっと掻き上げた。





「ハッ…。やっぱりみーちゃんには敵わないなぁ」




そう呟いた成宮くんにギュウッと強く抱きしめられる。





「ちょっ…!!ここ、昇降口よ!?誰か来ちゃう」


「大丈夫。…根拠はないけどね」


「何それ…」





お願い、私。


気付かないで…。




絶対気付いちゃダメよ、この気持ちに。




気付いたとしても

認めてはダメ。





ダメなんだよ……。