『あー、何か変だな…玲子には何だって話しちゃうな…こんなに自分の事話すつもりはなかったのに…俺どうしちゃったんだろう…』


公太はそう言って、清々しい表情で空を見上げた。


『公太にとっては、生まれた時から“死”と隣り合わせだったから…だからこんな“死”が溢れる島に来ても公太はあんなに強いんだ。“死”は生まれた時からずっとだもんね…ずっと…生まれた時から…』


空を見上げる公太を見ながら、独り言を呟く橘玲子の目から涙が零れた。


そして、橘玲子は右腕でゴシゴシと涙を拭った。


『公太!』


橘玲子は公太を呼んだ。


その言葉に公太は橘玲子を見た。


『ありがとう。あたし生きる覚悟を持つね』


橘玲子はそう言って優しく笑いかけた。