F組なんてめったにどころか入るのは初めてなんだけど


頭に血が上ると人間って普段考えられないような行動に出るらしく。


私も例にもれず、勢いよく扉を開けた。


バタンと勢いがついた扉が跳ね返ってきて


私の前を右から左へ動いた後、反動でまた右に戻って


半分開いた状態の所で止まった扉からズイッと教室に足を踏み入れると4人でキャッキャと喋りながらお弁当を食べてる愛を見つけて



「愛!顔貸しなさい!」



教室に響き渡る大声で怒鳴っていた。






戸惑う愛の席まで向かって無理やり腕を引っ張り連れてきたのは中庭で。


私は腕を組んだまま仁王立ちで立っていて。


冷静に話をしようと目を瞑って怒りを鎮める努力をした。



「真琴?どうしたの?愛、何かした?」



何かした?あんたには自覚がないのかよ!



一旦静まりかかった怒りがメラメラと再燃してきょとんとしてる愛の横っ面を張り倒したい気持ちを拳を握りしめることで落ち着かせる。



「あのさ・・・」



とにかく冷静に冷静にと自分に言い聞かせながら愛の目を真っ直ぐ見て口を開いた。