「初対面なのにいきなりごめんね」


「ううん。ちょっとびっくりしただけだから」


「で、初対面なんだけどストレートに聞いていい?」


「え?何だろう?」



戸惑ってる井上さんに、意を決して聞いてみた。



「本宮さん達といて楽しい?」



私の問いかけに・・・


井上さんは一瞬目を瞠ってから・・・俯いた。



「ごめんね、いきなりこんなこと聞いて。だけどあんまり楽しそうに見えないから無理してるのかなと思ってさ」



井上さんが泣きそうに見えたので、あわてて明るく取り繕ってみたんだけど


「やっぱり佐藤さんってすごいね」


「うえっ?何で?」



顔を上げた井上さんは、さっき林君に見せたのと同じ笑顔で


焦った私は変な声を出しながら聞き返していた。



びっくりした!泣くと思ってたのに。



井上さんは溜め息を付くと「実は」と話し出した。



「私、クラブとか入ってないから同じ中学の子達しか知らなくて。このクラスは全然知り合いがいなかったのね。


たまたま1人でいる時に本宮さんから声掛けてもらって一緒にいたんだけど・・・」