「そういえば」


「おっす!光」



野々宮君が何か言いかけたのと被る様に声が掛った。


「おっす、潤。やっと同じクラスになれたな」



気が付くと隣にいた橋本君が、ちょっとこっちこいよと手招きしていて



「ってかお前、佐藤さんの席に堂々と腰掛けすぎだろ?お前のファンクラブに嫌がらせ受けるのこいつだぜ?」



サラリと私の思っていた事を伝えてくれた橋本君は


新刊の漫画をアイツが持ってるんだと言って、他のクラスメートの席を親指で指していて。



「やり!ちょうど読みたかったんだよな。あっ、佐藤さんごめんね」



野々宮君はそう言って、私の席から立ち上がると橋本君と一緒に指差された男の子の席へと歩いて行った。


ちょっと・・・橋本君っていい奴?



そんな事を思っていると予鈴のチャイムが鳴った。