パソコンデスクの明かりを消して、ベッドへ行く。

ネックレスを外して…枕元に置いた。


「あれ…ちょっと黒ずんだか?」


ベッドの近くにある明かりが、ネックレスを照らす。

いつもより…黒ずんでいるように見えた。


手に取って、表面を擦ると…黒ずみは消える。


「………杏?」


脳裏に、杏の笑顔がよぎった。


「……何かあった……?」


時刻は2時近く…。

さすがに、寝てるだろ。


「……朝…電話してみるか」


再び枕元に、ネックレスを置き…ベッドに潜る。




この時――――…


杏の身に、あんなことが起きていたなんて――


俺は、まったく知らなかった。


ネックレスは、しっかりと異変を示していたのにな…。

杏…気づけなくて…ゴメンな。