『もう日もすっかり暮れはじめたな…』


修二は沈み行く太陽を見つめて呟いた。


『よし…』


修二は足元に散らばっている小枝や枯れ葉をかき集めた。


そしてその小枝や枯れ葉を廃屋の中の中心にまとめ、廃屋の中で見つけた、しけたマッチで頑張って火をつけた。


そして小さな火が見る見るうちに大きくなって行った。


『やっぱ…火があるのとないのとじゃ、全然違うなぁ…』


太陽が落ち、真っ暗だった廃屋が明るくなったことに修二は喜んだ。


『う…』


無精髭を生やした男も明るさに目を覚ました。


『眠っていたのか…』


無精髭を生やした男はそう言いながら、自らの腹部に巻かれている包帯がわりのタオルに手をやった。