電気もつけないまま…小さなオレンジ色の明かりだけが点く薄暗い部屋の中、陸の表情だけは…はっきりとわかる。


「……帯…解いて良いよな?」


甘くて…意地悪で、大人っぽい色気があるのに…小さな子供みたいに、キレイな瞳。

まっすぐな瞳に見つめられて、体温が上がった。

陸の顔は、もう数センチ先にある。


もう無理だ……今夜は、絶対帰してもらえない。

あたしは……

フェロモン全開の帝の仰せのままに従うだけ…。


「……いいよ……」


そう答えた瞬間…クスリと笑った帝に、唇を塞がれる。


「……待っ…て…シャワー」

「無理。止められるかよ」


シュル……カサ……


背中にまわされた陸の手が、あたしの着物の帯を解く音が聞こえた。