「これで分かっただろ。俺は子供なんかじゃないって。もう二度とガキ扱いすんなよ」




言い方はキツイけど

髪を撫でてくれる手は優しい。




本当に…

私の方が子供みたい。





「…でも俺も悪かったね。ごめんな、みーちゃん。俺を“恐い”と想わないで」



シュンといきなり悲しそうに呟くから、無意識に彼の頭を撫でていた。



何なのよ、この男は。




チャラチャラしてると思ったら

いきなり大人っぽく豹変したり


子供みたいにしょんぼりする。





…狡いよ。






「みーちゃん、帰り送って行こうか?」


「…いい」


「そっ。じゃあ気をつけて帰ってね」




成宮くんはそのまま教室から出て行った。





これ以上、彼と一緒にいたら駄目だ。



あの独特なペースに巻き込まれて

引き返せなくなりそう…。





子供扱いするなって言われたけど

彼は子供である前に教え子なんだから…。