ホテルの外に作られた庭は、想像以上に広かった。

地面は、石畳で…風情がある。

ホテルの入口から、しばらく歩くと……


「わぁ……滝まである…」


大きく開けた場所に、並々と池に流れ込む滝があった。

池に近づいてみると、色鮮やかな鯉がたくさん優雅に泳いでいる。


夜でも、充分に周りがわかるくらいにライトアップされ……癒しの場が出来ていた。


「よいしょ………」


着物の袖や裾が汚れないように、しゃがみ込み、鯉達を眺める。


「……もう……帰りたいなぁ…」


水面に映った自分の顔を見つめながら呟いた。



「なら、帰るか?」

「え…?」


突然聞こえた声に、後ろを振り向く。


「パーティー嫌なら、帰っても良いぞ?」



そこにいたのは―――――…。