「とにかく、俺の事なんかほっときなよ。他の先公みたいにさ」


「そんな事出来るワケないでしょ。私はあなたの担任よ?」




そう言うと


ヘラヘラ笑っていた彼の表情が一変した。






「アンタが赴任したばかりの頃にも言ったよな。“俺に関わるな”って。俺は何度も同じ事を言うのは嫌いだ」




ギロッと睨みつけられて怯みそうになる心を殺す。



生徒相手に脅えちゃ駄目よ、私。





「成宮くんが授業に出てくれたらもう関わらないわよ」




精一杯の笑みを向けると、成宮くんは立ち上がった。





「…お節介女」



そのまま屋上から出て行ってしまった。






「はぁ……」




緊張の糸が解け、足が砕ける。


フェンスに寄り掛かって息を吐きながら零れ落ちてきそうな涙を堪えた。