『生きる事を諦める気か?諦めちゃだめだ』


修二は無精髭を生やした男を担ぎながら足早に歩きだした。


その修二の言葉に無精髭を生やした男は黙り込んだ。


『あなたは拳銃を手に取ってた。拳銃を手に取っていたのは、あなたはこの島で生きる覚悟を決めたからだ。だからこんなとこで、あなたも死んじゃいけない…生きるんだ、生きてみんなでこの島を出るんだ』


修二は必死に無精髭を生やした男を担ぎながら急いだ。


『ふっ…一人だけしか出られないこの島を、生きてみんなで出ると言うのか…。まだ、この死滅島でそんな希望を持ってるなんて…やはり変なやつだな、お前は』


無精髭を生やした男は鼻で笑ったのだった。