リビングでお母さんが作ったお菓子を食べながら、海斗さんの魅力について話してるとドタドタと走ってくる音がした。





「お姉様お姉様〜。ただいま帰りました〜。」


「ひなのちゃん、お帰りなさい。」

「お姉様と帰るつもりだったのに、委員会がーっ。お姉様、明日以降は必ず一緒に帰りましょうねっ。」


「そうしましょう。ひなのちゃん、手洗いうがいしておいで?一緒にお菓子食べましょ?」


「はいっ。」





足音をたてリビングを去ったのは末の妹、ひなの。





何故かまりあだけをお姉様と呼んでいて、一番なついている。





「は?王子様?かれんちゃん、頭打ったの?王子様なんか日本にいないよ?」





いそいで戻ってきたひなのちゃんに海斗さんの事を話すと、王子様なんかいないと言われた。





ロマンチックじゃないところは長女のありさちゃんにそっくり。





「海斗さんは王子様なの。本物じゃないけど、私だけの王子様なの。酷い事言わないで。」


「かれんちゃん17歳でしょ?現実見た方がいいよ?海斗さんだっけ、ただの男じゃない。」





違うもの………海斗さんは王子様だもの。