『ねぇ、付き合うのと付き合わないのって、なにが違うの?



小学生の頃、そんなような会話をよくしていた。

あたしと話してるけど、いつの間にか話題はあたしの右隣にいる人に変わる。

本人は答えないけど、みんなからは岩のようにしか見られてないけど。

あたしには、ちゃんとした人間に見えてた。

温かな体温をこの手から感じてるから。

なに考えてるかはわからなくても、大体察しがつくようになった。


「ノンちゃん、ショーヘイ怒ってる」


「……怒ってる?」


「うん、怒ってる」


「いつもと同じ顔してるよ?」


「うん、でも怒ってる」


「なんで?」


「知らない」