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「……そんなことがあったの…」

「あぁ……」



話していた間に冷めたお茶をすする。




「ねぇ……その男の子って…?」


「あ――…今、杏樹と同い年だ」


「え………」


「まったく………まさか“その時の男の子”に、大切な娘を取られるとは思っていなかったなぁ………」



「――――!?」


樹里が目を見開く。

もうわかったみたいだな?




『―――――陸…っ…!』



これが、あの時の男の子のご両親が呼んだ名前だ。










お互いに、あの日のことは覚えていなくても―――…

もう一度、出会ったのだから


もう認めなければ―――


とも思うが・・・




やっぱりまだ…奴には

俺の杏樹は渡さん―――――!!







――END――