「どうしたの? 最近元気ないね」


学校の帰り道、家路を二人で歩くのはいつの間にか習慣となっていた。


小首を傾げながら上目遣いをして、心配そうに俺を見るこの態度は確信犯なんじゃないかといつも思う。


「別に」


ふつふつと沸き上がる欲情をひた隠しにしながら、ユウキのふわふわとした茶髪をぐりぐりと乱雑に乱してやった。


「あいたたた、ちょ、痛いよカズヤ」


「痛くしてんだよ」


俺の一言に「ひどいなぁ」と膨れるユウキは、そこらのオンナなんか目じゃないくらい可愛いと思う。


俺と頭一つ分くらい違う小柄な身長と、それに見合う華奢な体つき。


ふわふわの猫のような茶髪に、色白の透き通るような肌。


伏し目がちにすると更に際立つ、くりんとした長い睫毛。


そしてふっくらと艶やかな唇。

ついキスしたくなるような……って、何考えてんだ俺は。