クラブから帰って来た私は、梨珠さんに引っ張られ部屋へと押しやられた。





「あんたね、いい加減にしなさいよっ!妊娠してるのよ?一ヶ月後、出産するのよ?バカやってんじゃないわよっ。現実逃避なんかして、目を覚ましなさい!」





煙草に火を付けると取り上げられ、睨んだ瞬間また頬に痛みが走った。





「修一くんを愛してたんじゃないの?あんたの気持ちはその程度だったの?紗衣ちゃんは可哀想ね。お父さんがいない、お母さんは堕ちるとこまで堕ちた腐った人間。修一くんじゃなくてあんたが死ねばよかったんじゃないの?」





この言葉に頭が冴え目が覚めた。




今思えばこんな事言われて当然だった。





「何がわかるのよっ!旦那さんがいて子供がいて幸せな家庭を持ってる人には私の気持ちなんてわからないわっ!」


「当たり前でしょ。あんたの気持ちなんてわかるわけないじゃない。けど、同じ母親よ。子供を持った気持ちはわかるわ。」