予約したホテルに向かい、1日中閉じ籠っていた。





家族、修一の家族、紫穂、ひっきりなしに鳴り続ける電話を無視し続けた。





修一が死んだなんて嘘よ。





ついこの前まで笑い合ったのよ?




紗衣に話しかけてたのよ?





日本に帰る時だって、バイバイなんか言わなかった。





行ってくるって言って私の好きな笑顔を見せてくれた。





私は、現実を見たくなかった。





次の日の朝早く、お母さんに連れられ着いたのは葬儀場だった。





たくさんの参列者、修一の家族と――…修一の遺影。





恐ろしいほどの孤独感と喪失感を味わった。





誰でもいい……誰でもいいから嘘だと言って欲しかった。





修一はいない、もう戻って来ない。





黒い額縁に納められた修一の遺影は私の好きな笑顔で映っていた。