無意識に俺の眉がピクリと上がる。


振り向くと、階段の手すりから身を乗り出すようにして呑気に手を振る奴の姿が飛び込んできた。



「なんだよ、カナ。お前にしては珍しく早起きだな。」


嫌味を含んだ言い方で素っ気なく返すと、カナは足取り軽く階段を降りてきた。

「理緒兄が起きるの早いから、つられて俺もおきちゃったんだよ。兄弟だから気が合うんだな、多分。」


いや違うだろ、どう考えたって。


よくある、お前の気まぐれじゃねぇのか?