海堂社長は今までの私を思い出すかのように、眉を下げ微笑みながらそう言った。





「最初は本当に一目惚れだったんです。けど、一緒に仕事をしていくうちに全部とはまだ言えませんが鳴海さんの内側も好きになっていったんです。」


「………。」


「紗衣ちゃんといる時は常に笑顔が絶えなくて見てるこっちまで笑顔になるんです。モデルの仕事をしてる鳴海さんは別人じゃないかと思うほど、振る舞いも表情も違っていて更に惚れ直しました。けど、たまに悲しそうな辛そうな表情をしてて支えたいと思ったんです。」





どうしよう―――――…海堂社長から目が逸らせない。





「全部一人で抱え込ませたくないんです。支えたいんです。一緒にいたいんです。僕にも笑顔を向けて欲しいんです。」





握る両手に力が入るのがわかる。




「鳴海さん、僕を好きになって―――…。」





どうしよう―――…断る事が出来ない。