「ね…ねぇ、理緒。手だけは離してもいい…?繋いだままだと、あの…ちょっと恥ずかしい気がして…」


俯けていた顔を上げて発した声は微かに震えてしまった。


理緒は、そんな私を見て手をゆっくりと離す。


「そうだな…。ちょっと照れるもんな…。」


ニコッと笑う理緒も心なしか顔が赤くなっているみたいだった。


理緒も照れてたんだ…。


私と同じように緊張してたのかな…?


強張っていた私の表情は少しずつ緩んでいく。


朝から二人で、ほんのり頬を赤く染めながら教室へと入った。