「なあ、今日カラオケ行くから」

翔の誘い方は、ノーと言われることなんて考えていない。

でも、急に瞳を輝かせている時の彼は決まっている。


「でも、明日はレポート提出あるからなぁ」
取りあえずしぶってみせる。
もちろん、行く気満々なんだけれどね。



「気合いで終わるんだ、そんなもん」

確かに、気合いで終わる。
ラブモードな乙女パワーは計り知れないんだもの。


「まじ、今回のやべぇって。ネネに早く聞かせたいわー」

「じゃあ期待しまくってるね」


私の特権。
コイツの隣りにいれること意外に、メリットは沢山ある。


彼が作った曲を一番最初に聞けるのが私。

場所がないと、だいたいカラオケでお披露目してくれるんだ。
二人っきりのあの空間で。