「章菜っ!」





ガラッと音を立てて開いた扉の入口にお父さんとお母さん、紫穂が立っていた。





「お母…さんっ。」


「章菜っ!」





駆けて来たお母さんに力強く抱き締められる。





「心配したのよ?警察から電話来て、真っ暗になったわよ。」


「お母さん……。」


「章菜はなんでも自分1人で頑張り過ぎなのよっ。ストーカー被害にあってた事なんで言わなかったのよ。そういう時は家に帰って来なさい!あなたの事だから私達に迷惑かかるとか思ったんじゃないの?」


「ごめんなさい…。」


「私はあなたの母親なのよ?幾つになっても章菜は私達の可愛い娘なんだからたくさん迷惑かけてちょうだい。心配させてちょうだい。」





泣きながら怒ってくれるお母さん。





その姿と言葉が更に私の涙を誘う。





母親は偉大なんだと改めて思った。





「お母さん……紗衣が…紗衣がぁ……。」


「紗衣の母親は章菜よ。紗衣を信じなさい。」