ケータイ小説 野いちご

社長のご指名

「後でじぃじに電話する?」


「もしもし?」


「そう。お休みになったら遊びに行くね〜って。」


「しゅる!じぃじにもしもししゅる!」





今から家に帰って電話したら20時過ぎるけど、まだ寝てないよね?




毎晩お酒を呑むお父さんはいつの間にか寝てたりするから心配なんだけど……大丈夫だよね?





久しぶりに電話が出来ると知った紗衣はトコトコと先を走って行く。





「紗〜衣〜、危ないから走っちゃ………。」





暗くなった空に眩しいぐらいの光が照らされた。





空に響く凄まじい音。





1メートルも離れてなかったのに、私の視界から一瞬で紗衣が消えた。





重い体を動かし、なんとか顔を上げると街灯の照らす下に紗衣が横たわっている。





紗衣の側に行かなきゃ――…そう思うのに、なんで体がこんなに重いの?





力が入らない……足が動かない?




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