キスーーーー




慌てて、彼の体を離そうと
手で体をおしやるけれど
呆気なく両手の自由は
目の前のオトコに奪われる。


唇をずらしてジェイドは
怪しく笑む。

「これは、お礼ってとこかな。」


彼の鼻先が再び近づく。


「俺さあ・・・
一つだけ、ディオナに
教えてやれるモノ、あるよ。」

そういって。


「なっ・・・何よ、それ。」


完全に声がかすれてる。


心臓だって、

とまりそう。



「ん?

『恋愛の仕方』・・・

本当のね。」


「え・・・」


何かの間違いよねっ?!
酔いが急激に冷めていく。


「俺、『冗談』って、
言わない主義なんだ。

・・・特に、こーゆー事はね。」


限界まで近づいた唇が
再び重なり、啄むように
離れていく。


「『逃げない』んだろ?
俺からも、現実からも。

心が、忘れたままに
なってるぜ?ディオナ・・・」


心・・・か・・・・