ケータイ小説 野いちご

社長のご指名

響き渡る歓声と喝采。





心と体が震え上がる感覚。





モデルとして、この瞬間が一番幸せ。





3時間弱の幸せな時は無事、幕を閉じた。





2日間もあったコレクションは大成功。





今回は豪華な出演者も多く、テレビでも度々取り上げられ、ショップやネットでの売上も上々だった。





やっぱり“モデル”と言う仕事は楽しくて遣り甲斐があるんだと再認識した。





今回のコレクションで日本と海外からのオファーがきたけど、受けるつもりはない。





紗衣との時間が本当になくなっちゃうし、今の仕事が楽しいから。




幸せに浸っている私は地獄に突き落とされる事なんて知らなかった。





中途半端にモデルをした事で紗衣に迷惑がかかってしまうなんて知らなかった。





恵まれ過ぎた私は、また地獄の日々を過ごす事になるなんて知らなかったの――――――…。





< 209/ 316 >