ケータイ小説 野いちご

エレファント ロマンス

―――別に……。


他にファーストキスをあげたかった人がいるわけじゃないし……。


自分を励まし、涙を拭った。


なぜか桜井透真の顔が頭に浮かぶ。


なんで、このタイミングで桜井さんの顔?


あんな動物愛護精神のないヤツなんか……。


ありえない。


頭の中からあの生意気そうな顔を追い払った。


それにしても……。


あの時の桜井透真、びっくりするぐらい感情的だったな。


『象がどれだけ危険な生き物か、知らないからそんなこと言えるんだ』


憎々しそうに吐き捨てられた言葉を思い出す。


象のこと、そこまで嫌いになるかな、ふつう。


私は起き上がって、パソコンの電源を入れた。



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