ケータイ小説 野いちご

ほとり

いよいよ、デートが始まった。


車中では、たわいもない会話。


ただ、アタシはもろタイプな人にはオクテになってしまう。
本当に治したい自分の悪い癖。


イエスかノーで答える話ばかりをしてしまって、会話が途切れてしまう。本当は色々知りたいのに。


それでもドライブは続く。


大阪から滋賀までの道のりは長く感じる。
アタシが琵琶湖を見てみたいなんて冗談めかして話したら、快くオーケーしてくれたのだ。


もろタイプな彼と一緒で嬉しいはずなのに、話が盛り上がらない焦りと不安に押し潰されそうになる。


BGMでは彼が好きだという鬼束ちひろの曲が流れていた。
アタシも好きなアーティストだったけれど、いかんせん暗いし、重い。

この気まずい雰囲気と同化して、ますます気が動転してしまう。

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