アタシはそのお店で特に買いたい物はなかった。

友達が、「知り合いがいるから」、と立ち寄ったお店。

ただ、そこに欲しい物はなかった。


だけれど、店員さんに釘付けになった。

もろアタシのタイプ。
ヒゲを生やし、いわゆるちょっと悪そうな雰囲気。なんか、このお店に似合わない、そう思った。


しかも、そのもろタイプな人が友達の知り合いときたもんだ。


チャンスと思い、いつものアタシに似合わず、アプローチをした。


とりあえず、安いけれど、靴下を買った。
地味で無難に何にでも合わせれそうだったし。


彼にレジを打ってもらい、初めての会話。


ドキドキが止まらなかった。心臓の音って大きいんだって気付いた。