「教師がこんなことしていいんですか?」


起き上がり、やっとの思いで抗議した。


すると鳴沢先生は失望したような目で私を見た。


「前園、君はもっと利口な子だと思ってたよ」


その言葉には脅しが含まれているような気がした。


「すぐに素直になれるだろうけどね」


そう言って、鳴沢先生は窓に自分の姿を写し、ネクタイを整えた。


「僕は遊びで君が欲しいわけじゃない」


振り向いた瞳の真剣さに、怖じ気づきそうになる。


「必ず、僕のものにする」


その言葉を残し、担任が部屋を出た。


緊張が解けた瞬間、膝が急に力を失って、私は床にうずくまっていた。


『必ず、僕のものにする』


その言葉が頭の中をグルグル回っている……。