ずっと大好きなセブンスターのタバコ。





懐かしい味と匂い。





「たまにさ、無性に吸いたくなるんだよね。」


「そっか……。」





夢を見れないなから代わりにタバコで感じるの。





近づきたくて、近くにいるような気がして手が伸びてしまう。





「もうすぐだね…。行くの?」


「……行きたいな。」





すぐに答えられなかった。





忘れた事なんて一度もなかった。




夢でもいいから会いたいと切望してるのにも関わらず、動けないでいる。





行きたい……けど、行きたくない。





未練がましい私は今を生きているのに、現実を見れないでいる。





どんな声だったか、どんな顔だったかなんて記憶が薄れて来ている。





思い出そうとすればするほどわからなくなる。





お願い――――…一度でいいから、夢を見させて。