☆ ☆ ☆

 幸也は蒸し風呂以上に暑い小屋の中へ招き入れられ、ネコの出したもだえるほど苦いコーヒーに絶句した。


「苦げぇだろ」


 カッカッカと笑い声を上げ、冬我が笑う。


 このクソ暑い小屋の中には冷蔵庫と二つのベッド、それに旧型のパソコンしか目に付く大きな家具は見当たらない。


 幸也が座っているのは、ベッドの上だ。


「で、用件は?」


 ネコは苦すぎるコーヒーを表情一つ変えず一気に飲み干して、そう言った。


「実は、夜中に依頼メールを出したんだけど」


 その言葉に、冬我とネコの顔色が一瞬にして変わる。


 ネコはそのメールをまだ確認していないので、話を進めるように幸也を急かし
た。