そう言葉を返せば、
ボスは頭痛がするのか、
額を片手で覆い、
言葉を続けた。

「本人は、不満らしい。」



「どういう意味ですか?」

「ディオナ、君にじゃない。
レッスン内容が低すぎるらしい。
何でも、政治や経済まで
語れる様になりたいそうだ。」


・・・アイツ、何考えてんの?

現地人より、
エレナ語堪能になって、
どうすんの?


俯き、心底困った風に、
何か言葉を探すボスを見て、
何か閃きに似たモノを感じる。

いや、多分
当たってるハズ。

「ボス・・・?
何か彼に言われましたね?」


私の言葉に、彼は苦笑いを浮かべ
ため息を一つついた。