「………大丈夫です。」



あたしは小さく返事をした。



もう………なんでこんなに運悪いんだろ。



また涙腺がゆるむ。



「で、でも………水かかっちゃったし……」



そういわれて、服を触ると確かに濡れていた。



そして彼女さんのペットボトルも半分以上なくなってる。



「あっ!あたし、服新しいの買いますので!」



彼女さんは本当に悲しそうな顔で、あたしに言った。



あたしは………こんないい人を騙してたんだ。



騙して、直矢と繋がって………。



「あの〜………」



ハッと我にかえり、彼女さんを見た。



「大丈夫ですよ、そんな気にしないでください。」



冷たく言ってしまったことに、後悔する。