ふぅ、と溜め息をつくベルに、お父さんは何か言いたそうな、言いにくそうな顔をしました。

ベルはしばらく気付かぬふりをしていましたが、このまま無視しても埒が空かないので、聞くことにしました。


「父さん、何か言いたいことでもあるの?

まさか、薔薇を盗んだ代償に、お前の娘を嫁によこせ。なんて言われたんじゃないですよね?」


「さすが儂の娘!
察しが良いのぅ!」