「…沙南ちゃん?」 ハッとして言葉を取り繕う。 「…あ…ごめん。あたし、用事思い出したから」 智輝くんとユウくんの返事を聞かず、その場を離れた。 病院………… あたしが一番 キライな場所。 きっと違う。 きっと見間違いだ。 そう思いたいのに、 胸騒ぎは強くなっていく。 ドクン ドクンッ 激しく波打つ心臓をごまかしたくて、走り出した。