コップに注がれるとラムネはシュワシュワと音を立てる。

カラン、とビー玉が口に転がる。

欲しい!
そう思った。

喜ぶ友人の隣で、瓶を持っていってしまう後ろ姿を目で追う。

「ねぇ、パチパチするよ!」

肩を叩かれ、顔を見る。
もどかしそうな表情に気付いているのかいないのか、友人はコップを覗き込みながらまた言った。

「ね、パチパチ!」

体を支えていた手には畳の跡がうっすら残っていた。コップを覗き込むと弾かれたラムネが顔にあたって目を閉じた。

蝉の鳴き声に負けないくらいに笑いあい、2人で乾杯、と大人の真似をして遊んだものだ。

ぽたっ。
水滴が落ちる。