「んで、写真ねぇの?」





はぁ〜……なんだコイツは。





「あるんだろ?見せろよ。」





上から目線なのにイラッとしたが自慢をしたくてスーツの内ポケットから数枚の写真を取り出す。





ホテルに戻ってすぐに鳴海さんが現像してくれた。





「鳴海さんっていうんだけど、マジで綺麗だろ?こんな美女に俺が惚れるのもわかるだろ?紗衣ちゃんもすっげぇ可愛いだろ?」





グラスを置き、久人を見ると目を見開き凄い速さで写真を見ていく。





「どうした?お前も惚れたとか言うなよ?」


「いや……言わねぇけど、鳴海さんって下の名前何?」


「下の名前?章菜だったかな?それがどうした?」





そう言うと、勢いよく顔を上げた久人。





ビックリしただろ……なんなんだよ。





「お前さ、マジで言ってんのか?知らねぇの?」


「はぁ?」


「いや、なんでもねぇよ。」