「誰でもいいじゃん?このバカ連れてくから」


いつものように、適当に答えるモモ。

あたしは掴まれた手首にまた驚いて、声が出なかった。


「は?俺、その子に誘われたんだけど」


「だからキスすんの?欲求不満?コイツはお前のじゃねぇだろ」


モモ…怒ってるの?

さっきから目が怖い…!!


「はあ!?何?まさかお前の彼女?」


あたしがモモの彼女!?

こんなときなのに、ナスの言葉に胸が踊る。




それもつかの間…。


「なわけねぇじゃん」


相変わらず一刀両断。

バッサリ切られた…。


ちぇー…。

ここは嘘でも彼女だって言って欲しかったなぁ。


「んじゃ、金払っといて」


そう最後に告げて、スタスタ歩いて行くモモ。

もうナスの声なんて届いてなかった。