女が大の男を蹴り倒した…なんて乱暴なんだ…。





「ありさっ!」





聞き覚えのある声が聞こえ、目を凝らす。





あれ………三井さん?





「ここで何してるんだ?着いたら携帯鳴らしてって言っただろ?」


「……忘れたの。」


「しょうがないな。ほら、行くよ。」





盗み聞きなんていけないんだろうけど、聞こえしまうものはしょうがない。





「私は通れないらしいわ?アポなしだから無理なのよね?受付さん?」





ギロリと受付を睨み、嫌味を言う女。





「俺の奥さんだから覚えておいてよ。」


「え゙ぇ―――……っ。」





え゙ぇーって……。





「何?え゙ぇーってどういう事?何か文句でもあるの?」





あれがまりあの姉か……長女だったかな?新名さんの言った通り、妹と似てる。





三井さんが奥さんを引っ張り、エレベーターに向う。




俺も課に戻る為にエレベーターに向かった。





当然の如く、三井さんと同じエレベーターに乗り込むと奥さんはまだ怒ってる様で、腕を組み顔を歪めてる。