side-実優

あたしが中学1年生の頃。
好きだった先輩がいた。
彼の名前は佐藤光星(サトウコウセイ)。
同じ学校の3年生だ。
グランドで走る彼の姿をいつの間にか目で追っていた。

「吉沢実優いるー?」
教室で友達と喋っていると誰かがあたしの名前を呼んだ。
「あたしですけど・・・」
あたしはその人物を見て驚いた。
その人物とはなんと光星先輩だ。
けどなんであたし?
面識ないよね?
何言われるのよこれから~・・・
「ここじゃちょっと困るから音楽室来てくれる?」
「あ・・・はい。わかりました」
あたしは光星先輩の後ろについていった。

ガラガラ
音楽室には誰もいない。
つまりあたしと光星先輩の2人だけ。
「いいなり呼び出しちゃってごめんね?」
「大丈夫です。どうしたんですか?」
「あー・・・その、実優ちゃんのこと可愛いなって思ってて・・・。」
「ほんとですか?実はあたしも先輩のことよく見てました・・・」
あたしは恥ずかしながら言った。
それも顔が真っ赤になって沸騰するくらい。
「で・・・よかったら俺と付き合ってください!!」
人生初告白。
それは思いもよらぬ好きな先輩からだった。
「はい・・・よろしくお願いします」
「よっしゃあーっ!!!じゃあメアド交換しようか」
「はい♪是非お願いします!」
あたしと光星先輩はお互いの番号とメアドを交換した。


このときはまだあんな辛いことがあるなんて思いもしなかった。