男は目をそらして前を見た。私も前を見た。雨にぬれたアスファルトがきらきらと光っていた。さっきまで私は、魚住と居たんだと思った。それが今はこうして運ばれている。元居た、さっきとは全く違う世界に向かっている。「魚住の場所に早く戻りたい」子宮がそう言った。