薄暗いフロアの中。

少し視界が悪い。

「何か灯りになるようなものないかな…懐中電灯とか」

そんな事を俺は呟いてみるものの、そうそう都合よく欲しいアイテムが見つかるものじゃない。

これはテレビゲームではなく、現実の災害なのだから。

「ねぇ、恭一」

ハルカがあるレストランの中へと足を踏み入れる。

「厨房のガスコンロの火を利用して、灯りにできないかしら?蝋燭でもあれば、灯りの代わりになるかも」

成程、ガスコンロの火を蝋燭なり燃えるものに点火する訳か。

俺は彼女の機転に少々感心しつつ、後に続いた。