不穏な空気にあたしはひなたを引っ張り無理矢理立ち去ろうとした。


「もういいでしょ？マジ帰るから！」

「待てよ！？お前の彼氏は俺だろ！別れねーからな！？」


あっちゃんが回り込み叫ぶ。

お前コンビニの前で恥ずかしいわボケ。


「スゲー！ミリちゃんの彼氏！？スゲー！」


そして突然ひなたがあっちゃんを指差してあっちゃんにハグしに行った。

あーもう訳わかんねー……。


「ちょ……何すんだテメー！？」



ひなたに抱き着かれあっちゃんも訳がわからないといった様子だ。

そら、そーだろ。


あたしも訳わからん。




「あーミリちゃんの彼氏、俺も好きな匂いがする」

「は！？ふざけんな！……離れろよ！？」



嫌がる男に抱き着く男……



なんだコレ？



「ウゼーんだよ！！」


あっちゃんはようやくひなたを引きはがすと捨て台詞のようにそう叫び立ち去って行った。



「バイバーイ！」


ひなたは分かっているのかいないのか笑いながら、立ち去るあっちゃんに手を振った。


唖然だ……。


唖然だろ。