「車乗れや。家まで送るから」



助手席のドア開けて、私の肩に手を回した。



「でも…… こんなんしてもらっていいんですか?」



「何言うとんねん。困ってる子がおったら助けるのは普通やろ。まぁ、今はそれ以上の気持ちがあるんやけどな!!今日は、ただ送るだけやから安心しろって」





私は、静かに頷いて車の中に足を入れた。






「おい!!待てや!!」




遠くから聞こえる声。




「何やっとんねん!」



近付く声。




声の主は、わかるよ。





俺様で


わがままで


悪魔みたいなヤツ。




でも、私の好きなヤツ。






「……大雅」



私は車に入れた足を出して、大雅の方を見つめた。